TFT〈思考場〉療法入門(Roger J. Callahan Ph.D. 著)なる本を購入しました。飛行機恐怖症だった知人から薦められたもので、タッピング(ツボ押しのようなもの)で不安、鬱、恐怖症を取り除く画期的な心理療法についての本です。TFTを簡略化したものにEFTなるものがあり、それは友人から話を聞いていたのですが、本格的にTFTに関しての文献を読んだのはこれが初めてでした。
TFTが何なのか簡単に説明しますと、抱えている問題に意識を集中させ、その間に中国医療で使われるエネルギー経路上のつぼを軽くたたく、眼球を動かす、ハミングをする、数を数えるなどのシンプルな動作を決められた順番に行うことによってその問題による様々な心理的苦痛、例えば悲しみ、怒り、鬱、不安、トラウマ、恐怖症などを数分で取り除くことができるという信じがたい治療法なのです。
仕事や恋愛などで不安、ストレス、怒りを感じることが日常茶飯時な私は飛行機恐怖症をそれで克服したという知人からその話を聞くや否やアマゾンですぐさまその本を購入し、貪るように読んでみたのでした。
その本を購入した頃私は3週間の日本出張に出ていたのですが、その道中慢性の肩こりが悪化し、首にひどい痛みが走って首を回すのが困難になってしまいました。TFT〈思考場〉療法入門を読み進めていくとどうやら身体的苦痛にもTFTが効く場合があるようで、半信半疑試してみると、数分後、肩の凝りはまだ残っているものの、何とすっかりその痛みはどこかへ行ってしまったのでした。
その効果に感激した私は翌日の留学フェアのイベント会場で他の英語学校スタッフにその話をしたところ、興味を持ってくれる人と、持ってくれない人と、はっきり二派に分かれ、特に男性は殆ど関心を示さず、私が言っていることすらも全く信用せず、「そんなのMiKAが信じこんでいるから効果があるだけに決まってる」と頭から全てを否定する人が大半でした。
オーストラリアに戻ってきてからTFTについて出会う人出会う人ランダムに話をしてみたのですが、どうやら「常に不安やストレスを感じている人」と「そうではない人」の中で前者(女性多し)が圧倒的に興味を示し、後者(男性が大半)はそもそもそんなTFTだの心理療法だのを必要としていないために信じる信じないの域まで達していず、馬の耳に念仏状態なのでした。
私がTFTを試した翌日最初に出会って、最初にその話を興奮しながら話した相手は後者に属し、ブリスベンの某マンモス校に勤める彼(日本人・30代)は「なぜそんなめんどくさいタッピングなぞしなくてはいけないのだ」といった面持ちで私の話を聞き、最後まで「あ、そう」といった感じで特に何の反応も示しませんでした。彼に「例えば上司にプレッシャーをかけられてストレスに感じることないの?」と聞くと「別に気にしない」との返事。「過去の罪悪感とか、トラウマとか、恐怖症とか依存症とかないの?」と聞くと、「ない」とあっさりとした答え。
オーストラリアに戻り、何人かにそれを話した中、TFTをハナから信じなかったのはいつもお気楽極楽に人生を謳歌している友人兄妹の二人(オーストラリア人・30代)。先ず彼らはTFTのちょっと馬鹿げたツボ押しや目の動き、ハミングなどを笑い飛ばし、「じゃあ試しに今やってみる?何か取り除きたいネガティブな感情や恐怖症はないの?」と尋ねると「・・・ないかも、いつもハッピーだから。あ、Commitmentは恐いけれど、別にそれはそれでいいと思ってるし。」とあっけらかんとしていました。
私は彼らに羨ましさを覚えました。彼らは努力してそういう安定した精神状態を勝ち取ったのか、それとももともと生まれ持った資質なのか。おそらく生まれつきなものと育った環境に因るものが大きいと思いますが、これはある意味大きな才能だと思います。
当たり前のことですが病気をしにくい健康な体を持っていることは何事においても有利であるのと同じように、逆境に耐えられる強い精神力を持っているのも人生において大きな強みですよね。例えばきれいで健康的な肌を作るために人々は様々な努力をしますが、遺伝的にもともときれいな肌を持って生まれてきた人は、気を抜くとすぐに肌荒れしてしまう人に比べるとよっぽど少ない努力でその美しさを保っていることだと思います。ダイエットもそれに然り。
普段からポジティブに物事を捉えたり、くよくよと深く物事を考えない性質というのは生まれつき美肌の持ち主が何十万円も払ってまで美顔機を買おうとはしないように、TFTやヒプノセラピーやらの療法を必要としておらず、試すことすらしなくて良いのです。そしてその性質というのは人生を楽しく幸せに生きていくために必要なスキルであり、より優れたそのスキルを持っている人こそたくさんの幸福を自ずとひきつけていることだと思います。本人こそ気がついてはいないと思いますが、そのパーソナリティは世の中に向けて大いに自慢できる素晴らしいものだと私は考えています。私もそんな性質に生まれたかった。
10代、20代の頃に比べると、精神的にとても落ち着いてきた私ですが、それでもTFTがあると助かるな、と感じる私です。訓練によってそれらが全く必要なくなるときが来るとは思えないのですが、多少でも向上していけたらもっと人生がルンルンになるのではないでしょうか。
今日もそれなりにルンルンのMIKAでした♪
*この記事は2009年5月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。
*2024年追記:この頃はまっていたTFT療法、オーストラリアに戻ってからは英語版を買って友人にプレゼントするほど熱心だったのですが、その熱は数か月で冷め、その後はこの記事を読み直す今まですっかり忘れてしまっていました。あの首の痛みが消えたのはTFT療法のおかげではなかったのかしら…?