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Flirt – いちゃいちゃ?

2024年6月10日

最近私がよく使う英単語で、思えば適当な日本語訳がないと気がついたものが「Flirt」です。

辞書を引くと:

1 (…と)戯れに恋[火遊び]をする,いちゃつく《 with… 》.

2 (計画・危険などを)もてあそぶ,おもしろ半分に(…に)手を出す,(法律などを)軽視する,いいかげんに扱う《 with…
[1]

と出てくるのですが、私が「適当な日本語訳がない」と思ったとおり、上記の訳だけでは説明しきれていないFlirtの意味が実際にはまだまだあると感じます。

 

オーストラリア人の中で、私のようなMarketing/Salesといった職種についている人はFlirtするのが仕事の一部だと思っている人も少なからずいます。もちろん相手によってその対応を変えなくてはいけないのですが、男性が女性に、女性が男性にFlirtするのはそれほど悪いことだとはオーストラリアで捉えられていません。上記辞書からの引用はネガティブな印象を与える訳ばかりが羅列されていますが、オーストラリアで「Flirt」というと「Friendly」に毛が生えたようなもので、「あの人私にFlirtする→セクハラ?」なんてことにあまりなりません。

 

例えば私のボスなんてとてもFlirtatious(よくFlirtする人の形容)で、重要な取引先が女性の場合、先ずディナーに誘い、個人的な質問を交えつつ質問攻めにし、写真を撮るときは必ず肩を抱きます。あたかも彼女が彼にとってとてもスペシャルな存在であるかのように扱うので「彼、私に気があるのかしら?」と勘違いされてしまっても全くもっておかしくありません。

 

そんな彼も必ず超えてはいけないラインというものをわきまえていて、Flirtする以上のことはありません。表面上はFlirtatiousでもある程度の線でいつも留めているのです。(参照営業はまるで恋をしているように活動すべし?

 

Flirtatiousの他の例として、職場にいる男性スタッフが女性スタッフの新しい髪形を褒めるだとか、いやらしくならない程度に服装について良いコメントを投げかけるとか、異性の気分を良くするような、他の男性だったらそこまで気が回らないであろうことを敢えて言ったりするのも挙げられます。

その他、異性には特別に愛想のいい赤ちゃんですら大人は笑いながら「Flirtatious」と呼びます。

 

このように相手がシリアスに勘違いしない限り、オーストラリア国内でFlirtは罪のない行動として日常茶飯事に行われています。そしてそれを「Friendly」か「Flirtatious」か判断するのは全くもって主観的です。

 

Flirtは仕事から離れたところでももちろんおこりえることで、友人同士がFlirtする、既婚者がちょっとした刺激を求めてデパートの店員とFlirtしてみるだとか、人間関係がそこにあるかぎり、いくらでもFlirtするチャンスは転がっているのです。

 

Flirtatiousな人は少し話をしてみるとすぐにわかります。その大半が容姿に自信があり、相手が自分に興味を持ちそうなのを瞬時に嗅ぎ取る技を生まれつき身につけているタイプ。Flirtはその類の人のコミュニケーションツールであるとも言えるでしょう。

 

それではFlirtatiousな人同士がサシで相対するとどうなるのでしょう?かくいう私も相手によってはFlirtすることがありますが、それはたいてい私が相手に何らかの利益を見出しているときなのです。相手も間違いなく私から何か有利なものを引き出そうとしているからFlirtしているわけで、そのお互いのGive&Takeバランスが絶妙なバランスを保っている間は良いものの、一旦それが崩れると、それまでのFlirtは無惨に消え去り、時にその関係は妙に気まずいものになってしまいます。

 

心地よいFlirtの絶対条件としてその一線を超えてはいけないということが何よりも先に挙げられます。過去数年に亘ってときどき顔をあわせる機会があると食事をしたり、お茶をしたりしつつFlirtしていたけれど、ある晩お互い少し酔っ払ってキスしてしまい、それ以来今までのバランスが崩れさり、友人グループのパーティでお互い見かけるものの、妙にぎこちない関係になってしまった男友達が二人ほどいます。双方ともにつきあう気はなかったけれど、何らかの利害関係がそこにあったために、もしくは単に楽しかったために長いスパンでFlirtしていたにも関わらず、Flirtのラインを超えたことによって途端に興ざめし、今までの微妙な関係はガラガラと音を立てて壊れてしまったのでした。

 

日本ではそれにぴったり当てはまる言葉が存在しないほど馴染みのない「Flirt」ですが、オーストラリアでは有効なコミュニケーション手段として頻繁に登場します。上手に使いこなせる自信がある方は是非活用してみてください。ただしくれぐれもそのバランスを崩さないよう、慎重に状況判断してくださいね。

 

今日もルンルンのMiKAでした♪

*この記事は2009年3月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

 

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Photo by freestocks on Unsplash

[1]Progressive English-Japanese Dictionary, Third edition © Shogakukan 1980,1987,1998/プログレッシブ英和中辞典  第3版  ©小学館 1980,1987,1998

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