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日本人はすぐ謝る。

2024年3月1日

日本人はすぐに謝ると思います。

あまりにも謝りすぎるので、「あなたはちっとも悪くないのになぜ謝る?」と不思議に思うことすらあります。

 

私のように英語学校で仕事をしていると、世界中からの留学生に出会い、時には何らかの行き違いでお互いの意見が衝突したり、不快な疑問や不安が生じたりすることがあります。そういったとき、日本人が相手であったら大抵の場合事情説明だけで相互理解でき、「誤解していてごめんなさい」「時間をとらせてごめんなさい」と素直に謝り、ことは解決します。

 

日本人だったら、人によっては、自分が悪くないとわかっていても、その場を丸くおさめるために謝るだとか、面倒くさいから謝ってしまうとかいうこともよくあるのではないでしょうか。

 

日本では「ありがとう」の代わりに「すみません」を使うこともよくあり、お礼をするのと謝罪をする行為がときには似通っており、はっきりと境界線をひけない感があります。

 

これが韓国やヨーロッパの留学生相手だと、そういうわけにはいきません。たとえ自分が悪いと気がついても、口八丁手八丁で問題をすりかえて相手に責任をなすりつけようとしますし、へたにこちら側が非を認めたりしたら、それを更に大きな問題に膨らませて、自己をなるべく有利に持っていこうとするのが概ねです。若いとまだ経験が浅くてそれほど巧みな議論にはなりませんが、ある程度とうが立ってくると、非常に面倒くさいなと思うことがよくあります。

 

サウスアメリカンはその場でカッとなるけれども、後から反省して謝ってくるパターンが多く、それがとてもかわいらしかったりします。

 

小学生のときだったか、中学校に入学した後だったかはっきり思い出せませんが、国語の教科書に、文化による違いによって、素直に謝る国民性とそうでない国民性があることを謳った小論文があったのを記憶しています。それによると、他国からの蹂躙をあまり受けたことのない国民-すなわち日本国民は、自分の非を認めることにあまり抵抗がなく、何につけてもすぐ謝罪ができるが、他国からの蹂躙を受け、歴史的に国全体で反抗的な意志を持ったことがある国の民は素直に謝るという文化を兼ね備えていないらしいです。例えば日本人の場合お皿を割ってしまったらすぐに謝るが、どこそこの国では「この皿は今日割れる運命にあった」と無理やりにも自分の非を認めないらしいです。

 

イギリスから派生したオーストラリアやアメリカは、先住民を自分達が蹂躙した経験はあるものの、その後自分達が他国から強権をもって著しく踏みにじられたことはないはずです(歴史に疎い私なのであまり当てにしないでください)。

その割には自分の非を認めるために謝るという行為は、オーストラリア人にとって苦手なことのように見受けられます。

 

私は仕事上オーストラリア人スタッフのミスをよく(丁重に)指摘しますが、その際の反応はたいていこんな感じです。

「こんなに忙しいんだからミスくらいするわよ、私は人間なのよ、コンピューターじゃないのよ」

「こんな紛らわしい書き方するから私が勘違いするじゃない」

「こんなの大したことないじゃないの、日本人って本当に細かいのね」

一番頭に来るのがこれ。

「私のせいにしないで。XXXにまわしたけれど彼がやってくれてないだけなのよ」

と人のせいにするその根性の悪さ。

自分の非は素直に認めましょうと思うのは私だけでしょうか?そうして過ちを認めることによって人は成長していくのだと私は信じています。

 

ところがオーストラリアでは、本人にとってどうでも良いことであったり、気持ちを込める必要がなかったりするときは「I’m sorry」という言葉が頻繁に使われます。例えば:

「I’m sorry but it’s the rule」(ごめんなさい、でもそれがルールだから)

「I’m sorry but I don’t remember it」(悪いけどそんなこと覚えてないね)

 

そんなオーストラリアにはNational Sorry Dayというオーストラリア国謝罪の日があります。それは先住民アボリジニに対してイギリスからの移民がどれだけ残酷な所業をしてきたかを認め、謝罪をする日です。目をそむけたくなるような酷い歴史がそこにあり、そのためにたくさんのアボリジニが今でもそのトラウマから逃れられずに苦しい日々を送っています。このNational Sorry Dayが最初に施行されたのはたった10年前の1998年5月。

(参照https://www.reconciliation.org.au/national-sorry-day-2020/

 

日本人は何でもかんでもすぐに謝ってしまい、下手したら人の責任まで取り込んで丸め込まれてしまうことがあります。オーストラリアにいる日本人は、そんな無邪気さ故、どうしても損しがちなので要注意。おどおどしているだとか、何を考えているのかよくわからないだとか形容されがちな我々ですが、その反面、その素直さがかわいらしいと大半のオージーには理解してもらえていて、Polite、Modestなどと言われて愛されているのも事実。特にゴールドコーストでは日本人妻率非常に高いです。

 

「自己主張をしない方が悪い」と言われないよう、自分の意見はしっかり持ちましょうね。

今日もルンルンのMiKAでした♪

 

*この記事は2008年7月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

 

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Image by Mahbub Hasan from Pixabay

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