オーストラリアに来てから、これだけは必ず日本人のところに行く、と決めているものがあります。

それは美容院。

ワーホリでオーストラリアに来たときは、その冒険心から「オーストラリアのヘアサロンに行こうかな」と一度は思うものです。ネイルサロンやマッサージを日本人経営以外のところへ行ってみるのは止めませんが、ヘアサロンだけはオーストラリア育ちでもない限り、日本人経営、もしくは日本人ヘアドレッサーがいるところを強くお勧めいたします。

理由其の壱：　アジア人と西洋人の髪質はかなり違うので（美容師さん曰く）、日本人経営のところは日本人の髪質に合うプロダクトをわざわざ日本から輸入している。そのためより効果的かつ安全。

理由其の弐：　髪型に関するセンスが違うことがままあるので、出来上がりが期待とまるで違うことがある。私自身、カラーリングを頼み、その出来上がりに愕然としたことがあった。真っ黒の髪に、顔の輪郭に沿った白のハイライトで、まるで大槻ケンヂのよう。その美容院はニコール・キッドマンやカイリー・ミノーグも立ち寄るという有名なサロンで、そこのスタッフ一同「すごくステキ！！」と褒めちぎってくれたが、私は苦笑いしかできなかった。

理由其の参：　英語力が不十分な場合はコミュニケーションがうまく取れず、希望通りの髪型や色に仕上がらないことがある。

気にしない人にとってはどうでもいいことかもしれませんが、日本人女性の多くにとって、「髪は命」。しかも一回髪型を変えてしまうとその後数ヶ月は直しようがなく、ブルーな気分を抱えていなくてはいけなくなるのは本当に困りものですよね。
しかもワーホリや学生にとって美容院代というのは決して馬鹿にならず、高いお金を払った結果がそれだと悔やんでも悔やみきれません。

女性の場合は美容院に行かず、伸ばしっぱなしでもそれはそれで良い場合もありますが、根元がプリンになってきたり、気分を変えたかったり、毛先が痛んできた場合なんかはどうしてもプロにお願いしたくなりますよね。お陰さまでオーストラリアは日本人経営の美容院は何軒かから選べるくらい充実していて、金額やサービス内容で差別化を図れるのがありがたいですね。

話は少し変わりますが、先日、日本とオーストラリアで洗髪に関する意識に大きな違いがあることを発見しました。

私の勤める英語学校の先生のうちのひとりが、ふと気がつくとすてきな髪型をしていました。前髪は逆毛を立てたようにボリュームを持たせ、こんもりとさせつつ後ろ髪はポニーテール。どうやって前髪をそんなにきれいにボリュームを出すことができるのかと思い、何気なく尋ねてみると、「そうやって聞かれるとちょっと距離を置かなくちゃ」となぜか突然後退りし始めました。そして驚愕の発言。

「実はもう２週間髪の毛を洗っていないの。そうすると頭皮の油が髪にしみて、髪を扱いやすくなるのよ」

予想だにしていなかった返事に口をあんぐりしていると、もう一人たまたま近くにいた先生が「私もその会話に入れて！」と加わり、なんと自分は３週間も髪を洗っていないと告白。カラーリングやパーマで髪を傷めすぎ、ヘアドレッサーから「なるべく髪を洗わないように」と忠告された結果とのこと。結婚している彼女ですが、だんなが心中どう思っているのか気になるところです。

「痒くなったりしないの？私なんて毎日髪の毛洗うよ」と言うと、二人して「毎日洗う方が頭皮が乾燥して痒くなるのよ！」と叱られてしまいました。気になった私は他のスタッフに「どれくらいの頻度で洗髪するか」アンケートを取ったところ、たいていが２日に一回との回答で、毎日洗うという回答は一つも得られませんでした。

たまたまその週末「頭皮デトックス」の予約を入れていた私。美容師さん（日本人）に聞いてみると、「髪の毛自体はなるべく洗わない方がいいけれど、頭皮は毛根の健康を保つためには頻繁に洗って清潔にしているべし。ただし乾燥させたり、ケミカル成分が頭皮に残ったりするのは逆効果なため、できるかぎり天然素材で質の良いシャンプーやコンディショナーを使用するのがキモ」とのご回答。

そういえば最近韓国人の女友達が、「近頃抜け毛が妙に気になる。Panteneは使い続けると禿げるという噂があるの知ってた？」と気にしすぎで泣きそうになっていました。お陰さまでオーストラリアにはラベンダーの香りが清々しいオーガニックシャンプーがお手ごろ価格で手に入るので、早速彼女も私も、毎日のシャンプーをP&G製品からMade in Australiaの自然派製品に切り替えたものでした。

余談ですがオーストラリア在住の日本人の中で、天然素材にこだわり、シャンプーやスキンケアプロダクツを全て手作りしてしまう人が結構います。尊敬。

髪も心も美しく在りたい、今日もルンルンのミカでした♪

＊この記事は2008年9月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

＊2024年追記：オーストラリアで、「6週間髪を洗わないでいると、シャンプーをしないことに頭皮と髪が慣れて、その後はとても美しい髪が手に入る」とまことしやかに語られていて（おそらくほんの一部の間で）、それをたまたまラジオで耳にした私は、がんばってがんばって、それを実行したことがありました（ほんの3年ほど前）。もう2度とやりません。

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