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あなたは今の生活に何パーセント満足していますか?

2017年6月16日

無事日本出張から戻ってまいりました。福岡で飲んだ胃カメラの結果もたいしたことはなく一安心です。ストレスを感じているときに胃痛を感じることがあるのだろうということで、痛みを感じたらその行動を長く続けないようにとのお医者様のお言葉でした。東京での仕事は私にとって何かとストレスがたまるものらしく、シドニーに戻ってロングウィークエンドの今は胃の痛みなんてすっかりなくなってしまいました、えへへ。

 

 

今回の出張で私は名古屋に3回行きましたが、そのうちのある夜、名古屋駅周辺であるアンケート調査を受けました。年のころ23~24歳くらいのあまりちゃらちゃらしていないまじめそうな女の子達が「青年の意識調査にご協力くださーい。」と大勢の歩行者の中私を目がけて2度ほど声をかけてきたので「青年とは何歳から何歳を指すのだろう?」と心の中で思いつつ、もし私が日本に住んでいたなら無視して通りすぎるところ、近頃の日本文化がどのようなものなのか妙に好奇心がわき、アンケートに協力することにしました。

 

 

最初の質問は「あなたは今の生活に何パーセント満足していますか?」というもの。私は少し考え、「90%」と答えました。インタビュアーの女の子2人組は少し驚いて、「すごいですね、じゃあ、残りの10%はどうなったら埋めることができますか?」と質問を続けて来ました。

 

 

私は私の90%という答えに自分でも少し驚き、その女の子達が驚いたことにも意外さを覚えました。今まで私が何パーセント自分の生活に満足しているかなんて自問自答したことがなく、他人から聞かれて初めて「ああ、私結構満足しているんだな。」と改めて気づかされたからです。そして女の子達が驚いて「すごいですね。」ということは、私くらいの年代で90%満足していると答える人がいかに少ないであろうかということを知らされた、ということですね。

 

私にとって残りの10%は「良きパートナー」。仕事はとても楽しいし、経済的にも贅沢しなければ暮らしていけるし、今のところ日本の家族は健在だし、友人にも恵まれています。自分自身も五体満足で、多少胃が痛んだり、ドライアイでときどき目が充血したりはしていますが、大方のところで健康。無いのは男運ですねえ。パートナーがいてもそれが良きものでなければ一転して不幸に転じることもあり、「良き’パートナー」というのが絶対条件です。ただ、私の場合はパートナーの経済力や生活力、行動力に依存して生きる事はないので、その割合は10%と小さい。もしこれが結婚を人生の目的にしている人だったら結婚していない段階で50%くらいの人生の満足度しか得られていないのかもしれませんね。

 

ただ、この「あなたは今の生活に何パーセント満足していますか?」という質問、その答えは100%となることはほとんどないでしょう。人間は常に何かを欲しているものですから・・・。

 

 

次の質問は「自分の嫌いなところはどこですか?」。・・・ちょっと考えました。・・・しいて言えば、ストレスを感じやすい?いや、でも飛びぬけて人よりストレスを感じていることはないはず・・・。としたら、しっかりし過ぎているところ?でもこれって長所といえば長所だし、自分でそれを嫌いだとは思ってないなあ・・・。結局のところ、「ありません。」と答えました。これも新たに気づかされて新鮮な驚きを覚えたことです。

 

 

日本にいたころは肌荒れしやすいとか、胸が小さいとか、細かい人間関係だとか、見栄っ張りだとか、頼まれたら断れないとか、留学したいのにできない私、とか細々とたくさんの事で悩み、しょっちゅう自己嫌悪に陥っていたような気がします。でもたいていのことが、オーストラリアで暮らしているうちに払拭されました。人は人、自分は自分、自分のやりたいことができたらそれで満足。色が黒かろうと白かろうとそれは個人個人の持ち味だし、ブランド物のバッグもそれほど欲しくなくなるし、いやなものはNOと言っても誰も悪く思わないことを学び、年齢差別も性別差別も日本よりぐっと少ないこの国。私にとってはかなりストレスフリーです。

 

 

結局この意識調査をしている団体の目的は何だったかというと、宗教団体とまではいかなくても、自分に自信のない青年や、悩みを抱えている人たち、自己改革したい、と思っている若い世代を集めて自己啓発をするということを表向きにしたビジネスだと思うのですが、私のインタビュアーであった女の子達もその団体のメンバーであることは間違いなく、当然その子達も何かしら少し心に弱いところがあり、変わりたい!と思っているようで、私の答えに驚き、「海外に行ったら変われますか?!」と目をうるうるさせて逆に質問されたときは思わず私の勤める英語学校の名刺を渡してしまいそうになりました。

 

このアンケート調査が妙に心に残った私はその後日本の各地で友人や営業先に同じ質問をしました。日本在住の人は満足度合いが30%から80%(25歳から35歳の働く男女)と少し低め。理由は「仕事ばかりでプライベートな時間がない」が一番。次に「今の仕事に満足していない」。後は恋人との関係など。それに比べてオーストラリア在住の友人(日本人。25歳から40歳の働く男女)は90%から120%。ぐっと高い割合ですね。やりたい仕事ができている、お金持ちではないけれど、健康で十分な生活ができている、などがご回答。私自身もそうですが、皆日本から抜け出して好きなことをできるようになった達成感がありますね。これが学生さんであったりしてまだ発展途上なら少し話は違うかもしれませんが、社会人を比べるとこれほどの差が出ることに目を見張ります。

 

ちなみにオージーはどうでしょう?私の勤める英語学校の受付嬢のイマリちゃんのご回答は60%。彼女にとってのゴールはまだまだ先にあるらしく、まずは海外で仕事をすること、そして近い将来起業することが夢。まるで海外留学を目指す日本の若者のようですね。

 

 

友人のPatrick君(30歳・会計士)は70%。長くつきあっている彼女もいて仕事も一流なのになぜ70%だけなのかと尋ねると、「今の仕事に大きな不満はないけれど、少し退屈なんだ。」とのご回答。一流会計士には一流会計士の悩みがあるようです。

 

 

おそらく日本人がオーストラリアで仕事をする、ということと、オーストラリア人がオーストラリアで仕事をする、ということにはスタートの時点で少し違いがあるのでしょう。私にとってはまず言葉を習得することが最初の目的、そしてこの国で通用するビジネススキルの取得、日本人ということを活かせる仕事を探す、ビザ問題、といったことからスタートしなくてはいけなかったので、オフィスワークにたどり着いただけでもかなりの達成感がありましたが、オージーに取ってはそれをまた違う国でしたり、もっと高いキャリアややりがいでないと満足できないものなのかもしれません。

 

 

私は今の英語学校でのマーケティングの仕事に満足しています。同僚もいい人たちばかりだし、ボスのことも心から尊敬しています。仕事は決して単調なものでなく日々変わっていくし、ニュージーランド校もできたので、その下見に行くこともあります。新しいプログラムの構築や、タイムテーブルの見直し、毎週出会える世界中からの新入生達・・・。ときには辛いこともあるけれど、やりがいのある仕事につけた自分が好きだと思える今日この頃です。

 

 

あなたは今の生活に何パーセント満足していますか?

今日もルンルンのミカでした♪

 

*この記事は2006年6月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

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