オーストラリア・シドニー | オーストラリア国際恋愛

友達と恋人のボーダーライン

2019年10月29日

仕事帰りにスーパーマーケットに寄って晩御飯の買い物をするとき、たいていレジには行列ができています。疲れている私は少しずつ進む行列に並びつつ、買い物かごは床に置き、それを足で蹴飛ばしながら前進します。ときには並べてある雑誌に手を伸ばし、それを購入する気なぞさらさら無いなかページをめくり、待っている間のひまつぶしにします。こんなお行儀の悪いこと絶対に日本でできないなあとしみじみ思いつつ。でもオーストラリアにいたら理解できることでしょう?

日本での常識がオーストラリアで通じなかったり、オーストラリアの常識が日本で通用しなかったりするのは当然のことなので、現在こうしてオーストラリアに滞在している我々はその文化慣習の違いを理解しなくてはいけないことは重々承知なのですが、私にとって未だどうしても理解できないことがひとつだけあります。それは「友達と恋人のボーダーライン」。

なぜ私が混乱するかというと、オーストラリアでは男女交際の始めに「つきあってください」という言葉が存在しないからです。これはオーストラリアに限らずアメリカでもイギリスでも同様で、「Will you be my girlfriend?」なんて台詞はハイスクールでくらいしか使われていないそうです。
「つきあってください」という言葉がなければ一体いつからつきあっていることになるのでしょうか?

オージーの典型的な男女交際の始まりは:

1回目のデート。別れ際はほっぺにキス。もしかしたら唇にキス。

2回目のデート。1回目でしなかった場合は今回で唇にキス。

3~5回目のデート。ベッドイン。

その後何回かデートを重ねて彼の友達に会い、Girlfriendとして紹介されたのであれば正式なつきあいをしている様子。ただのお友達として紹介されたり、もしくは彼の知り合いや家族に紹介されない場合はセックスつきの友達である可能性有り。

私がオールドファッションでなければ日本での男女交際の始まりというのは「つきあってください」が先ずあって正式につきあうことになり、次の段階としてキスがあり、セックスがありますよね。またはつきあっているからこそキスしたりセックスしたりする。でもオーストラリアの場合はその順番が日本とはちょっと違います。確かに唇にキスをするのはスペシャルな人のみですが、かといってキスしたから必ず恋人かというと違うんです。性的に魅力を感じてはいるものの、それだけでは恋人にはならないんですねえ。

例えばBrad君(23歳)の場合は「友達でもセックスする。」と言い切ります。私が「友達とはしないよ。」と反論すると「Why not?」とあっけらかんとしています。彼の言う「友達」というのはセックスのためだけの友達でなく、いわゆる本当の友達のことです。例えばハイスクール時代の同級生だとかグループで仲良くしている友達だとか。あなたは理解できますか?

Darren君(27歳)に尋ねてみたところ、「ステディな彼女になるかどうかは時間をかけないとわからないけれど、セックスは待てないでしょ?」というお返事が。日本人女性の立場から言わせてもらうと「セックスを待つ」ことが重要なんですが・・・。

Andrew君(30歳)は「3回目でやらせてくれなかったら諦める」とのご回答。「どうせやるだけが目的なんでしょ?!」という言葉をぐっとこらえて「どうして?」と問うてみると「相手の誠意が見えないから」って、あなた・・・。

そして私が最も理解できないのは、Steven君(28歳)のこのご意見。「ピンとくる子を見つけるまで何人でもデートする。現在デートしている子も複数いるよ。」彼は同時に何人ものデート相手がいて、そのどれともセックスしていて、未だそのどれもが正式な彼女ではないのです。ピンと来る子がいたらその子一筋になるんでしょうか?そしてまだ彼女でないデート相手の女の子達・・・。彼女らは君にとって一体何?お友達?

日本はアジアの中で最もオープンな国だと言われていますが、それでもまだまだ性にたいして保守的な考えが根強く残されていて女性が男性のようにセックスを開けっぴろげに楽しむことはできません。それに対し、オーストラリアは「付き合う前にセックスをするのは当然」となっているのです。だから女性もときにはスポーツのようなセックスをすることもありますし、お互い興味のある男女が正式な交際を始める前にセックスの相性を見る、というのも常識になっているのです。

デートしていても、セックスしていても、恋人でない可能性があるオーストラリアの男女関係。「友達と恋人のボーダーライン」はどこにひけばいいのでしょうか。
私は前述のように「彼の家族や友達に会い、Girlfriendとして紹介されたのであれば」というところだと思います。でもそれってそれまでの間は非常に宙ぶらりんな状態ですよね。「一体私はあなたの何?」と思う期間が長期に渡るケースもよくあることでしょう。そしてそれは日本文化の中で育った我々日本人に取っては理解に苦しむことかもしれませんが、郷に入ったら郷に従えで、オーストラリアの常識として受け入れなければいけないんですよね。
デートしているから、セックスしたから、という条件から「つきあってる!」と思い込む方が後々苦しむことになるので心の防御だけは皆さん怠らないようにしてくださいね。

今日もルンルンのMIKAでした♪

*この記事は2006年8月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

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