オーストラリア・シドニー | その他

韓国人と私

2019年11月1日

韓国人が好きか嫌いかという質問の答えは、日本人に尋ねた場合、極端に二派に分かれるような気がします。最初から頭ごなしに「だめ!受け付けない!!」と決めている人と、「大好き!」という人。英語学校で最初に出会う外国人として一番確率が高い韓国人。日本のお隣さんを皆さんはどう感じていますか?

私は何を隠そう韓国大好き派です。韓国人の友達はワーホリ時代に数え切れないくらいいたし、今でも数年越しのつきあいをしている人が何人かいます。今の英語学校で仕事をする前は、今はなき韓国系留学エージェントの中で唯一の日本人スタッフとして働いていたし、実際韓国人男性とつきあっていたこともあります。韓国語はその当時結構できるようになったけれど近頃はちょっと勉強をさぼりがちで忘れてきてしまったなあ。ちなみに韓国料理も韓国ドラマも大好きです。

2001年にワーホリで渡豪して以来つけている「ぐーたら日記」を紐解いてみると、その当時英語学校で出会った韓国人のお友達がどれだけ私に親切にしてくれたかがたくさん綴られていて、思い出しては胸がじんとします。

例えばお互い留学生の身で節約しているのにも関わらず、私と私の友達を家に招待して手料理を振舞ってくれた上にお土産に韓国の化粧品をプレゼントしてくれたり、遊びに行くたびに「うちに来たらリラックスしなくちゃいけないからそんなジーパンは脱いでこれに着替えなさい。」と昼間からパジャマを出してきてくれたり。

韓国人のお友達のうち何人かが帰国してしまったのでソウルまで会いに行ったこともあり、私は図々しくもそのうちの一人の家にホームステイ2泊もさせてもらい、食事もご馳走になり、その子が通っている大学にまで連れて行ってもらって講義をこっそり一緒に受けました。

辛いときは相談に乗ってくれ、励ましてくれ、その当時の私にとって韓国人のお友達は必要不可欠でした。

韓国人と一緒に仕事をしていて「合わない」と感じる人、割合と多いみたいですね。ところが私、なんだかとても相性がいいんです。なぜでしょう、自分でも理由はわかりませんがなぜかしらしっくり来てしまうんです。もしかしたら私、ご先祖は韓国人なのかしら。日本人は元をただせば皆中国方面にルーツがあるのでしょうけど、特に私は両親が九州出身のため朝鮮色が強いのかもしれません。韓国人から「韓国顔」だと言われるくらいなので。

確かにちょっといやだな、と思うところもいくつかあります。例えばいつもにんにくくさいところ、おしがとても強いところ(どの業界でも韓国人からの苦情と要求が一番多いと言われます)、そして食事中にどんな美少女でもくちゃくちゃと音を立てて食べること。愛国心が非常に強く、何においても自分達が一番だと思う傾向があり(それがファッションに関してもなので苦笑してしまう)、特に日本に対しては競争意識が強くときどき失礼に感じることもあるのです。

近頃の韓流ブームは韓国びいきの私にとっては嬉しいことですが、それでも日本人、韓国人の心の底に刷り込まれている戦時中からの敵対心は完璧に払拭することはできないようです。韓国の若者はそのことをしっかりと親の世代に教育されています。日本の若い世代はそのことに関してはほとんど白紙の状態で、日本国民としての韓国に対する反感、というものはあまりないようですが、絶対的にあると私が感じるものは近親憎悪の念です。

韓国と日本は類似性がとても高いです。言葉もそっくりなうえ、現代文化から風習まで日本で行われていることがほとんど同じように韓国で起こっていたりします。韓国の若者は日本のアニメーションや漫画、ファッション、ゲーム、音楽などの文化が大好きで、それらを輸入した上に柳の下的コピー商品もたくさん販売されています。Hyundaiの自動車はどこからどう見ても日本車をコピーしたような製品ばかりに感じます(韓国人に言わせると近頃は日本が韓国車をコピーしている)。その中で韓国に先に行かれているものもあり、例えばMixiのようなソーシャルネットワーキングサイトは韓国で数年先に始まっていましたし、MP3やプラズマTVの技術などは韓国の方が日本よりも優れていることを認めざるを得ないかもしれません。

このような状況が日本人に近親憎悪や畏怖の念を与えることがあります。自分とそっくりなあの子、あの子が私の真似をしている、あの子が私のファッションも行動も全部真似するから私とあの子はいつも比べられる、そんなつもりはないのにだんだん私も焦ってきちゃった、あれ?それって私が先に始めたことなのになんであの子がオリジナルなふりしているの?やだ、真似するだけかと思ってたら私よりも先を行ってるみたい!!というような「出藍の誉れ」的脅威が日本人の心のどこかにあるのは否定できないでしょう。

「韓国」という国一丸としての勢いを感じます。例えば世界中どこの英語学校に行っても韓国人が一番多い、というのはその大きな表れだと思います。今では韓国の若い世代は一生に一度は必ず留学し、世界を舞台に仕事をするということを目標にしているのが当たり前のようで、日本の約3分の1しか人口のない国からこれだけたくさんの学生が英語を勉強しに来ているという事実は、今後の韓国が大きく発展することを暗示しています。

韓国人のほとんどが若いうちからしっかりと将来設計を立てて行動しているように感じます。私が英語学校に通っているときに知り合った韓国人の親友は、その当時オーストラリアで大学に行くために英語を勉強していて、私は彼女の影響を受けてオーストラリア国内で進学し、勉強をしなおすことを決心しました。彼女の存在がなければ今の私はありえなかったかもしれません。彼女は私より5つほど年上だったので、いつも私を妹のようにかわいがり、励ましてくれました。彼女のおかげで韓国好きになれたのは言うまでもありません。

嫌うのは簡単なこと。でも、頭ごなしに決めつけてしまわないで少し心を開いてみたら、実は彼らのステキなところが見えてくるかもしれませんよ。韓国人は時には無愛想に見えたり失礼に感じたりすることもあるかもしれませんが、それは営業スマイルをしないという彼らの文化かもしれません。ちょっとこちらから勇気を出して微笑みかけてみたらどうですか?

今日もルンルンのMIKAでした♪

*この記事は2006年9月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

*2019年追記:その後の日本韓国関係にも色々とありましたね。現在は以前よりもずっと多くの日本の若者が韓国文化に熱狂していたりする一方で、その逆も増えているのでは。新大久保のような街で韓国文化が多くの日本人に触れられるようになったのも、時代の流れかと思います。

にほんブログ村 海外生活ブログ オーストラリア情報へ

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください