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英語学校スタッフの仕事とは?

2019年11月4日

例えば、日本に帰ったときに初めて知り合った人に「オーストラリアで暮らしています」と自己紹介すると「留学してるんですか?」と100%聞かれるので「いえ、英語学校で仕事をしています」と答えると再び100%と言っていいほどの確率で「先生ですか?」と聞き返されます。すかさず「まさか。マーケティングですよ」とかぶりを振ると「マーケティングって何するんですか?」という返事が戻ってくるのは予測済みなので最近は「営業です」と言う様にしています。

これは実は日本に帰ったときのことだけでなく、オーストラリア国内でも日本人から「先生?」と聞かれることが多いことに少し驚いています。なんとオーストラリア人からもいぶかしげな顔をされながら「(君が英語を教えているとは思えないけど)英語教えてるの?」なんて聞かれるので恥ずかしくなってしまいます。

どうやら世間では学校組織と言うものは、ほぼ先生と生徒だけで構成されていると認識されているようで、私のようなマーケティングスタッフやアドミニストレーション(事務)スタッフは陰の存在、縁の下の力持ち的な役割なんだと思います。

現実的な問題として学校は先生と生徒だけは成り立ちません。例えば私の勤める英語学校へ入学する場合、先ず申し込み用紙を提出し授業料やホームステイ費用の請求書が届いたらそれを指定された銀行口座に納め、学生ビザ申請に必要なCOEの発行を待つ。ホームステイの詳細もしばらくして受け取る。入学当日にはオリエンテーションとレベルチェックテストを受けて学生証を渡される。いざ授業が始まり、アクティビティにも参加し、ワークエクスペリエンスプログラムも始まる・・・といった流れになるのですが、そこには先生以外のスタッフがたくさん関わっているのです。

申し込み用紙を受け取ってデータベースに打ち込み、必要書類を作成するのは「Registrar」のお仕事。請求書を発行し、授業料振込みの確認をするのは「Accountant」。COEの発行をするのは「Administration」のお仕事。ホームステイは「Homestay Coordinator」がコーディネートし、オリエンテーションや生徒さんの相談を受けるのは「Student Service Officer」が担当します。アクティビティやワークエクスペリエンスはそれぞれ専用のコーディネーターが存在します。

というように、学校という組織の大きな割合を占めるのは確かに先生と生徒ではありますが、全てを潤滑に経営するためには事務作業をこなす先生以外のスタッフの存在が必要不可欠なのです。

さてそれでは私の役職である「Marketing」はいったい何をするのでしょう。英語学校の仕事内容を大まかに4分割すると、「Academic」「Administration」「Account」「Marketing」と分けることができます。「Academic」は先生達、「Administration」は事務員、ホームステイコーディネーター、レジストラー等。「Account」は会計部門、そして「Marketing」は営業スタッフです。

英語学校に於ける営業スタッフの仕事は要するにその学校の宣伝をすることで、私が勤める英語学校の場合は30カ国近くの学生さんが集まって勉強しているということもあり、そのほとんどの国に営業をかけています。

各国の留学エージェントにE-mailでニュースレターを出したり、年に一回は直接訪問したりして新しい授業料の案内やプログラムの説明をします。そのため英語学校のマーケティングスタッフは世界中を旅して回ることになり、パスポートは入国出国スタンプですぐに一杯になることもしばしば。

学校見学に来る生徒さんにコース説明をしたりキャンパス案内をしたりするのもマーケティングですし、留学情報誌に広告を載せるのも仕事の一部です。留学エージェントから、もしくは学生さんからのお問い合わせの対応をするのもマーケティングスタッフの仕事。つまり全ての窓口となっているのはマーケティングスタッフで、例えば請求書に何かミスがあったりした場合、それに関してのお問い合わせは留学エージェントから直接会計士に行くわけでなく、マーケティングスタッフがそのお問い合わせをお預かりし、会計士にそれを伝える、というのも仕事となってくるわけですね。

ちなみに競争相手の動向をチェックするのも仕事のうちのひとつ。

最近は宣伝のための媒体が紙からインターネットへ移行していると強く感じます。そのために情報の速度はますます速く、ネット上にはいつも新鮮な情報が溢れていてマーケティングスタッフは息をつくヒマがありません。

インターネット上には毎日毎日新しい情報が競争相手からアップロードされています。私もぜえぜえ言いながら必死で追いつこうとしているのですが筆は遅々として進まず、「まあいいや、マイペースで」と半ば諦めの境地でルンルン日記をつらつらと綴っております。

留学フェアに展示ブースを出し、8時間ぶっとおしでトイレも行かずにコース説明をするときなんかは終いには自分自身がテープレコーダーのように再生ボタンを何度も何度も押されているような錯覚に陥り、意識が朦朧としてきます。突然カメラの前に立たされて「2分半で貴校の説明をしてください。」と迫られたときはちょっとテレビのリポーター気分。

文章を書くこともとても多く、個人的にそれは好きな分野なので苦にならないのですが「120文字で学校の特徴を説明」というように限定されてしまうときにはちょっと頭を悩ませますね。

マーケティングという仕事はその企業の顔として笑顔を絶やさず、マーケットにも敏感で常に神経を研ぎ澄ませておかなくてはいけません。して、合う人にとっては天職ですが合わない人にとってはとても苦しい仕事のようです。私はそんなマーケティングが大好き。ただひとつ辛いことがあるとしたら苦情を受け取るときだけですかねえ。

今日もルンルンのMIKAでした♪

*この記事は2006年9月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

*2019年追記:最近は「オーストラリアに住んでいます」と日本で初対面の人に伝えても「留学してるんですか?」とは聞かれず、「旦那さんはオーストラリア人ですか?」と聞かれるようになりました・・・。

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