オーストラリア・シドニー | オーストラリア医療事情

歯が命

2019年11月13日

オーストラリアに来て気づいたことのひとつといえば、日本人は歯が悪い、ということ。

英語学校に通っているときに韓国人のクラスメイトに言われて初めて意識しました。「なぜ日本人は歯が生えるべきところ以外から生えてる人がいるの?(おそらく八重歯だとか乱杭歯の人のことを言っている。)」とか、「なぜ日本人は歯が突き出しているんだ?(出っ歯のことだと思われる。)」とか。

そう言われてみれば歯並びが悪いのも、歯が白くないのも、前歯にすら虫歯ができていたりするのも皆日本人。よく見てみるとヨーロピアンやサウスアメリカン、韓国や中国なんかのNon-Japaneseの笑顔には真っ白な歯が、まるで矯正したかのようにきれいに並んでいる。私は日本にいたころ歯並びなぞ気にしたことがなかったのですが、よく見ると前歯の2本が少しウサギになっているのでそれだけでもこの国に来てから妙に気になっています。

私が勤める英語学校の美人受付嬢イマリちゃんも「日本人って歯並びが悪いのね。」と私に言ってきたことがあります。そういう彼女の歯は歯磨き粉のTVコマーシャルに出れるんじゃないかというくらい美しい。歯並びは完璧で、もともと白い歯の上に肌の色がダークなのでますます光って見えます。

欧米圏では「白い歯」がひとつの美の象徴として捉えられているので、人々は子供の頃に両親が大金をはたいて歯並びを整え、生まれつき歯が白くないのであればレーザーで白くしたり、コーヒーやタバコで色素沈着がある場合は定期的にクリーニングに通ったりします。更にオーストラリアの水道水にはフッ素が含まれていて、それが国民の虫歯予防に高い効果をもたらしていると言われています。

文化的な意識の違いから、歯に対する審美的な考えと言うものが日本は他国に比べて遅れているのだと感じます。欧米では矯正しなくちゃいけない域の歯並びでも日本ではそれほど深刻に捉えられなかったり、フロスを使って歯磨きをしなかったり、歯石を取ったりタバコのやにを取ったりしたことが一度もない大人がいたり、オーストラリアに来てからの私にとって信じがたい状況が日本で往々としてあるのでときどき憂いを感じるほどです。

これは私の単なる想像なのですが、意識の低さだけではなく元来日本人という人種は歯が弱い種族なのかもしれません。例えば私の奥歯の幾つかは角が生えたような形をしているものがあり、それはデンティストに言わせると「日本人女性に多い歯の形ででこぼこが多く入り組んでいるために虫歯になりやすい。角が折れて神経がむき出しになることもある。」とのことでした。やはり人種によって歯の形も微妙に違ってくるようです。そしてきっと虫歯になりやすい、歯並びが悪くなりやすい、ということも関わってくるのだと推測します。

オーストラリアでは歯科治療は国民健康保険の対象にならないので、プライベート保険に加入していない私はなるべく虫歯にならないように毎日努力しています。それでも先日残業しているときにおなかがすいて、たまたまオフィスにあったジェリービーンズを仕方なく食べていると、あの粘着力のあるビーンズのために、何と歯の詰め物が取れてしまったのです!それは子供の頃にやった奥歯の虫歯に入れてあった金の詰め物で、取れた後には大きな穴が・・・。

仕方ないので在豪歴5年にして初めて歯医者に行き、治療をしてもらったのですが、やはり痛い出費でしたねえ。ときどき「歯医者で2000ドル・・・」と言う話を耳にしますが、これっていうのはオーストラリアでは「虫歯は予防できるもの」として保険の対象にしないという政策なのでしょうか。

日本人は歯が悪く、予防意識も欧米ほど浸透していないためにしょっちゅう歯医者の世話になっており、あたりまえのように保険は適用されるようになっていますが、オージーが歯医者に行くというと、その目的は多くが審美歯科的なものですからまた話が違うのかもしれませんね。

オーストラリアの水道水にフッ素が含まれていて虫歯予防に役立っている、ということは前述しましたが、私のデンティストによるとフッ素の効果によって色素沈着が起りやすくなり、まめにクリーニングを行う必要が生じるという影響もあるらしいです。オーストラリアに来てから歯の裏側にタバコのやにがつきやすくなったと思う方、いませんか? 私はタバコは吸いませんがコーヒーをよく飲むので半年に一回はクリーニングのためにデンティストに行きます。日本にいたころも色素沈着はありましたがこちらに来てからの方が色が着くペースが速いですね。

前回デンティストに行ったときについでに歯の矯正をするのにいくらぐらいするのかと尋ねてみると「約$7000」というお返事が・・・。$7000払ってこの先1年間痛い思いをしながら、サイボーグのようなBraceをつけて英語学校の営業をするのかと思うとその気は失せました・・・。

しかしながらシドニーで出会った友人のうちの一人は、現在Braceをつけて歯列矯正中。私と出会ったときはすでにきれいな歯並びになっていたのでどの程度だったのかは想像がつきませんが、以前はかなりの出っ歯だったということで「やって良かった。」としみじみと感想を述べてくれました。

日本にいる友人が1年前に矯正を始め、出張で半年毎に会うと「すごいきれいになってる!」と驚かされます。その友人は日本にいながらにして外人好きで、「外人さんと話すときに歯並びが悪いと自信がなくなる」という理由により20代後半で矯正に踏み切ったつわもの。

虫歯は予防できるものです。毎日フロスや歯間ブラシをかけ、時間をかけてしっかり磨けばかなりの確率で防げるはずですし、定期的に検診に通うことで早期治療することも可能です。歯石や色素沈着はクリーニングで取れるものですし、少しの努力をすれば健康な歯と歯茎を保つことができるでしょう。

まるで歯医者さんのようなことを言っていますが、美しい歯が与える印象というのはこの国に於いてとても重要だからなのです。裏を返せば不健康な歯が与える印象というのはどうしてもネガティブになりがち。できれば普段から歯に対する意識を高めて「日本人は歯が悪い」というイメージを払拭したいものですよね。

いつかお金を貯めて歯の矯正をしたい・・・。今日もルンルンのMIKAでした♪

 

*この記事は2006年10月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

*2019年追記:2006年当時に比べると、現在の日本の予防歯科や審美歯科に対する意識は格段に上がりましたね。特に子育て世代の虫歯予防知識は一昔前とは大きく違うので、次世代では虫歯率も著しく下がっているのでは?ちなみに私はその後渡ったトルコで歯列矯正をし、オーストラリアの半額で治療を行うことができました♪

にほんブログ村 海外生活ブログ オーストラリア情報へ

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください