オーストラリア・シドニー | オーストラリア文化

花を贈る

2023年4月27日

あともう少しで彼氏いない歴2年になってしまう私ですが、そんな中でも多少の色恋沙汰はあるもので、実は先日、私宛にオフィスに花が届きました。

受付のKathrynが「MiKAに花が届いた!」ときゃあきゃあ騒ぎながら私のデスクまで持ってきたので、オフィス全員の前で同梱のカードを読み上げる羽目に。花の贈り主に私が興味を抱くかどうかは別として、女性として花を贈られるというのは、やはり嬉しいものですよね。

これを日本人の男友達に伝えると、「花をデリバリーさせるなんて日本男児は恥ずかしくて出来ない」というリアクションが返ってきて、すっかりオーストラリアボケしている私には、また新たなる文化的相違発見となりました。

もちろんオーストラリアでも、何かの記念日やお祝い事などがあるときに花を贈るのが一般的で、花のデリバリーが日常茶飯事というわけではないのですが、日本に比べるともっと様々なシチュエーションで花を渡す風習があり、男性から女性に、というパターンが比較的多く感じられます。

出勤時にすれ違うシドニーの女子高生達が、誰にあげるのか、ガーベラを一輪だけ手に持って歩いているのをときどき見かけるのは、かわいらしい光景ですよね。私自身も食事にお呼ばれしたときなんかは、ワインの代わりに花束を持参していくことがときどきあり、それをダイニングテーブルに飾ると、会食が一層ステキになります。

バレンタイン・デーに女性から男性にチョコレートを贈るのは製菓会社に踊らされた日本と韓国だけの慣わしで、他の国では男性、女性の区別なしに愛情表現をする日となっています。シドニーのバレンタイン・デーには街角で真紅のバラが売られているのをあちこちで見かけ、多くは男性から女性に花を渡す形になります。そういえば同僚のLisaにも、バレンタインには旦那様から花束がオフィスに届いたっけ。

花を贈るという行為は少しキザっぽくはあるので、日本人男性が躊躇するのは理解できます。やはりそこらへんは白人の方がさらりと自然にやってのけますよね。思い起こせば、あるオーストラリア人男性の家に遊びに行ったときに、彼が庭に咲いている白いバラを一輪手折って、「This is for you.」なんて、まるで少女漫画のキャラクターの様に言いながらくれたことがありました。日本国内で、更に日本人同士でそれをされたらかなりひくかと思いますが、それはオーストラリアの真夏の暑い夜の出来事で、なぜかしら全くキザくさくなく、私もごく自然にそれを受け入れ、そのバラを髪に挿して食事に行きました、マジで。

そういえば昔、私がジャパレスでウェイトレスをしていた頃のこと、突然サプライズで私宛にフラワー・アレンジメントが届いたことがありました。その日は奇しくもそのレストランの社長の誕生日で、なぜか社長は、私が彼のために花をデリバリーさせたと勘違いし、「MiKAさん、ありがとう」と丁寧にお礼を言われて困った私は、「どういたしまして」と返事するしかなかったという、元来の花の贈り主にはとてもかわいそうな結果となってしまったのでした。

「日本男児には恥ずかしくて・・・」という意見を私なりによく考えてみたのですが、仮にその友人が私にバラの花束を渡したところで、私の方は何ら違和感がないのではないかと思います。彼がそれを恥ずかしいと思うかどうかは別問題として、私自身はすっかりオーストラリアボケしているのか、もともと女性として男性から花を受け取るのはウェルカムだからなのか、日本人同士の花束のやりとりに抵抗はありません。きっとこれも、日本人女性の方が男性よりもフレキシブルであるという特性のうちのひとつでしょうね。そして男性の中でもオーストラリア歴が長かったり、もともと贈り物好きな人だったりした場合は、花を贈るという行為を自然に取り入れている人もいることだと思います。実際に日本人男性から誕生日にバラを一輪もらったことがありますもの。

日本では入学式、卒業式のお祝い、出産祝い、退職記念、母の日、入院中の人へのお見舞いなど、行事や挨拶などの機会に花を贈ることが多く、男女間の愛情表現に花を贈ることがあまりないので、そこに「日本男児には恥ずかしくて・・・」という発想が生まれてくるのでしょう。オーストラリアでは、ちょっとした愛情表現に一輪のバラがよく登場し、レストランで食事をしていると花売りがしばしば現れ、たいていは追い払うものですが、ときには彼女のご機嫌を直すのに一役買ったりしています。私はロマンティックで宜しいのではないかと思うのですが、日本男児諸君はいかがでしょう?

私のマッサージ師曰く、「花からは気が出るので、一輪飾っておくといいですよ」とのこと。確かに花がそこにあるだけで明るい気分になりますよね。それが特別な人からの贈り物だったりした場合はなおさらです。残念ながら切り花の命は短いですが、それだからこそなお、その美しさを一日一日ありがたく思えるものだと感じます。

あなたも花を贈って、意中の人のハートをゲットしましょう。今日もルンルンのMiKAでした♪

 

*この記事は2007年7月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

 

にほんブログ村 海外生活ブログ オーストラリア情報へ
Photo by Dương Trí on Unsplash

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください