オーストラリア・シドニー | オーストラリア国際恋愛 | オーストラリア文化

素晴らしき哉、ゲイの世界

2023年3月9日

シドニーにはオックスフォードストリートという通りがありまして、日本では新宿2丁目のようなゲイの街として有名です。毎年この2月3月の時期はMardi Gras~マーディ・グラ~と呼ばれるゲイ・レズビアンイベントで街は盛り上がり、特に3月初めに行われるパレードは多くの観客で賑わいます。

 

シドニーでゲイであることをカミングアウトしている人の数は、日本のそれよりもぐっと多いと思います。シドニーではゲイやバイの権利が日本に比べてかなり認められているからでしょう、街を歩いていて、いかにも、な人達に普通に遭遇します。

私は田舎出身なので日本にいるころはゲイの存在になれておらず、最初は珍しいと思ったのですが、近頃は彼らの存在は当たり前のように日常に溶け込んでいます。バスで隣に座るのがおかまちゃんだとか、アルバイト先の同僚がレズビアンだとか、普通すぎていちいち話題にもしません。

 

友人のPatrickのお兄さんはゲイだと聞いたとき、「なんであんたはそんなに女好きなのに、お兄さんはゲイになるわけ?」と聞いた私にPatrickは笑いながら「ゲイっていうのは生まれつきなんだよ。」と教えてくれました。だから同じ家庭環境で育ったとしてもストレートだったりゲイだったりするそうです。

生まれつきゲイとして小さな頃から性同一障害を自覚している人と、人生のある時点まで気がつかない人もいたりするんですよね。だから結婚して子供がいる人までいます。じゃあバイの人は???考えると頭がこんがらがってきますのでそこら辺の分析は専門家に任せましょう。

 

私はできればゲイの友達がたくさん欲しい方です。ゲイの人ってその多くがユーモアに富んでいて、お洒落で、ダンスが上手、一緒に遊ぶのはとっても楽しい。恋愛相談にも乗ってもらえるし、女同士では相手に気を使って言えないような手厳しい批評も遠慮せずにぐさぐさ。ストレートの男性と一緒にいるときのような気遣いもいらないし、とっても気楽。

 

ゲイの世界というのはストレートのそれよりも断然グローバリズム化が進んでいるように見受けられます。アジア系の男の子はオージーゲイに人気らしく、オージーとタイ、オージーと香港、オージーと日本、といった組み合わせがよく目に付きます。住みやすい環境を求めて日本からシドニーに移住するゲイも多いでしょう。そういえば新宿2丁目のゲイクラブにも外国人のお客さんが多かったと思います。

 

出会いはオンラインが主流のようです。海を越えた出会いを積極的に求めている彼らにはインターネットと優れた英語力が必要不可欠で、そのために語学留学しにくるゲイも少なくないと思われます。

私は最近まで「ロマンスはゲイの世界にのみ生き続けている」と思い込んでいましたが、実際ゲイ世界の恋愛事情はストレートのそれよりももっとセックスが第一に来るらしく、知り合って「Hi, how are you?」と握手をする代わりにセックスするくらい、あっけらかんと性交渉が行われているのだと聞きました。人生の間に50人とか100人とかセックスするのも特に珍しくないようで、ストレート世界に比べて絶対的に人口が少ないのにその人数は驚きです。これも出会いを世界中に広げている賜物でしょうか。

 

オックスフォードのクラブに遊びに行くのはとても楽しいので、ストレートの皆さんも機会があったら足を運んでみてください。ドラッグクィーンショウがあったり、セミヌードダンサーがバーカウンターの上で踊りだしたり、ホットなキスコンテストがあったり、ストレートが行くようなクラブよりもお楽しみが盛りだくさんです。

残念ながらストレートの男性から声をかけられてロマンスが生まれるようなことは絶対にありませんが、そのぶん踊り狂いたい夜には、誰の目も気にせずに踊れるのでストレス発散にぴったりです。フレンドリーなゲイの男の子が茶目っ気たっぷりに、私と私の友達(ゲイ男性)に「あんたのガールフレンド(私のこと)とてもホットね!セックスしたいけど私今日生理なの。」なんて話かけてくるのはゲイクラブ・シーンならではです。

 

入場するときに気をつけなくてはいけないのが靴。おそらくゲイクラブはストレート女性の出入りをそれほど歓迎しているわけではないと思うのです。ゲイカップル二組に連れられて私が行ったクラブでは、私だけがセキュリティに、サンダルがオープントウ(爪先がカバーされていない)だからダメだと入場を断られたことがあります。踊るときに踏まれたら危ないという理由からだということで、諦めて違うところに行ったのですが、次の時にはしっかりカバーされたハイヒールを履いて行ったのにも関わらず、「ピンヒールだから危ない」という理由で、一旦どさくさに紛れて入ったクラブから私だけが追い出されました。

一緒にいた友達(ゲイ)曰く「何だかんだ理由をつけてストレートの女の子をお店に入れたくないのよ。あんたがどこから見てもストレートだからだめなんじゃない?」とのことでした。ハイヒールがダメで入場を断られるなんてオックスフォード以外のクラブやバーでありえないんですけど!しかもスニーカーは許されるっていったいどういうこと??

 

ゲイの友達はたくさん欲しいけれど、オーストラリアにもともとろくなストレート男性がいない中で、人々がゲイに走ってしまうとますますストレート女性が取り残されてしまうような気がします(特にハンサムなゲイがいると「もったいない」と思ってしまうのは私だけではないでしょう)。でもPatrickの言うとおり生まれつきだったら仕方がないですよね。レズビアンの人もいるし、バランスは取れているのでしょうか。

 

ゲイの友達が教えてくれた、ストレート女性のためのストレート男性の選び方の極意があります。まだ出会ったばかりの彼に「ゲイの友達は何人いる?」と聞いてみることです。もし彼がこてこてのAussie blokeで、ラグビーとビールとセックスにしか興味がない場合は「一人もいない」と答えるでしょうし、もし彼に一人以上のゲイ友達がいる場合、その彼はちゃんと女性の話に耳を傾けることができ、セックスだけではないしっかりとした‘Relationship’を築ける人に違いないという診断です。男が男のことを言っているのだから信憑性がありませんか?

 

今年のMardi Grasのパレードは3月X日(土)です。一見の価値がありますよ。

今日もルンルンのMiKAでした♪

 

*この記事は2007年2月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

*2023年追記:昨今の日本では、同性愛者達の市民権もずいぶんと獲得されてきたようですね。まだまだオーストラリアのそれほどでは無いとは察しますが、それでも受け入れ態勢が進んでいることは素晴らしいことだと思います。

にほんブログ村 海外生活ブログ オーストラリア情報へ
Photo by Delia Giandeini on Unsplash

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください