オーストラリア・シドニー | オーストラリア暮らし

ありがとう、あなたのおかげでタバコ止められました。

2023年3月17日

やっと出て行ってくれました。

昨年の8月に入居したお隣が信じられないヘビースモーカーで、漂ってくるタバコの煙に心身ともに悩まされていたのです。

 

私は現在、ノースシドニーにある大きなアパート(日本で言うマンション)の小さな一部屋に住んでいますが、ある晩、まるで私の部屋で誰かがタバコを吸っているかのように煙くさくなり、「一体全体??」と部屋のドアを開けてみると、どうやらお隣の部屋のドアからタバコの煙が染み出し、私の部屋に入ってきてしまっている様子。

新しい隣人が入居して来て、それがたまたま日本人男性だということも、その人と不動産屋さんの話し声が通路から聞こえてきたことがあったので、それとなく気がついていました。

 

次の日仕事から戻ったときも、私の部屋がタバコの煙で充満していました。いい加減迷惑に感じた私は、英文で、部屋に煙探知機もついているのだから、バルコニーで吸って欲しい旨を願う苦情の手紙を書き、隣部屋のドアの隙間に忍ばせておきました。

 

すると次の日、何と日本語で返事がありました。内容は、オーストラリアに来てから何度も同じような苦情の手紙を受け取ったことがあり、たいていは無視するのだが、ビルディングマネージャーにたまたま私が日本人だということを聞いたので返事を書くとのこと。そして新しい場所に引っ越すときは必ずタバコが吸える物件かどうか確認して引っ越し、今回の物件もOKだったから引っ越したのだということ。タバコを吸うときは窓を開けてエアコンを回すようにするが、それ以上のことは協力できないとのこと。半年の短期契約だからよろしくとのこと。

 

頭に来た私は、自分の不動産屋に電話をし、隣人のヘビースモークのお陰で非常に迷惑を被っている旨をクレームしました。私の不動産屋はセンターマネージメントに苦情の手紙を書き、センターマネージメントは隣人の不動産屋に忠告の手紙をファックス。それでも部屋の中でタバコを吸うことは法的には許されているらしく、それ以上のことはできないと言われ、私は泣き寝入りするしかありませんでした。

扇風機を回したりして、何とか私の部屋にタバコの煙が入らないように努力したのですがあまり効果がなく、鬱々とした日々を何日か過ごしたところ、たまたま友人が、weather-stripと呼ばれるドアや窓枠に貼ってすきま風の侵入を防ぐテープの存在を教えてくれ、それを私の部屋のドア枠に貼ることで、大きな解決となりました。

できれば隣人の部屋のドア枠にも貼ってもらって、タバコの煙を彼の部屋に閉じ込めてしまおうと考えた私は、ビルディングマネージャーに依頼してその作業を遂行してもらいました。彼が部屋の中で何をしようと勝手ですが、それが私の部屋まで漏れてきてはならないのです。見たこともない隣人のせいで私の健康が害されてはたまりません。

 

Weather-stripのお陰でかなり状況はマシになりましたが、それでも全館冷暖房であるエアコンや換気扇から少しずつ煙が侵入してきて、私のバスルームはいつもかすかにタバコ臭くなっていました。

 

実をいうと、私自身も時々タバコを吸うOccasional Smokerでした。それがありがたいことに、ヘビースモーカーの隣人を持ったことでタバコへの強い嫌悪感が生まれ、それ以来一切喫煙はしなくなったのですが、それまで自分自身がタバコを吸うときは、できるだけ人に迷惑をかけないように気を使って吸っていたつもりです。

オーストラリアでは公共の建物の中やオフィス、レストランやカフェなどでの喫煙は全面的に禁じられているので、人々は喫煙のときはバルコニーに出たり、ビルの外に出て吸ったりすることが常識となっています。それによって私自身もめったにありませんが、吸いたくなったときはバルコニーに出て吸い、服や布団にタバコの臭いがつかないようにしていましたし、友人の家に遊びに行ったときなんかは部屋の中で吸うなんて言語道断、ある程度オーストラリア生活が長い人ならば自然とそういったマナーが身についているのが当然だと思っていたのです。

 

オーストラリアは国を挙げて喫煙撲滅運動を行っていますよね。そのためのテレビCMなんかは思わず目を背けてしまうくらいグロテスクだし、タバコのパッケージひとつひとつにもタバコの悪影響がいかにひどいかを表現する、見るに堪えない写真がプリントされています。タバコには高い税金が課せられて、一箱$10くらいすることもあり、オーストラリアに於けるタバコ人口は、アジアやヨーロッパに比べて断然少なく、若い男性でも吸わない人はとても多いです。シドニー・ノースショアにあるMosmanでは、街全体が禁煙となっているほど。喫煙者は肩身の狭い世の中です。

 

それでも吸いたい人はそれだけお金をかけて吸いますし、なるべく節約したい人はタバコの葉っぱと紙を購入して自分で手巻きしたり、海外に行く予定のある人に頼んで免税タバコを買ってきてもらったりしています。喫煙する場所さえわきまえれば、タバコを吸うこと自体は合法なので悪いとは言いませんが、健康に悪影響を与えることはどうやら間違いないので、間接喫煙で周囲の人に迷惑をかけないように心がけましょう。歩行喫煙はこの国ではまだ許されていますが、それによって道行く人々に煙を浴びせたり、タバコの火で誰かを火傷させたり、服を焦がしたりしないように細心の注意が必要です。

 

先日ビルディングマネージャーから「ようやくMiKAの隣の日本人が出て行くよ。」と伝えられたときは「やっと半年経った・・・」と胸をなでおろしました。現在隣はオージーの女の子(だと思う)で、私のバスルームに今晩漂って来た匂いはタバコの煙ならず、ペンキの香り。おそらく引っ越してきたばかりで何かをペイントしているのでしょうね。

 

あなたのお陰で完璧にタバコを止めることができて感謝です。今日もルンルンのMiKAでした♪

 

*この記事は2007年3月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

*2023年追記:調べてみたところ、現在のオーストラリアでは、タバコ1箱の平均価格は$40だそうですね。とても高額ですが、それでも買う人は買うんですよね。道端でタバコを吸っていると、オーストラリアでは時々「タバコ1本ちょうだい」と言われることがありますが、昨今のタバコ代高騰で「ちょうだい」は図々しすぎる、となり、「1本売って」とアプローチし、たいていは$2硬貨と交換する、と未だに喫煙者である友人が言っていました。

 

にほんブログ村 海外生活ブログ オーストラリア情報へ
Photo by Stas Svechnikov on Unsplash

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください