オーストラリア・シドニー | オーストラリア暮らし

オーストラリアの紫外線

2023年3月20日

オーストラリアの紫外線は日本の5倍から7倍強いと言われています。

それを実際感じるかというと、普段の生活では実は私はそれほど気にしていません。オフィスワークをしているため、朝まだ日差しの弱い時間に出勤し、日中はずっと屋内勤務、オフィスを離れるのは日が暮れた後、という生活のため、それほど紫外線を浴びずに日々を送っているからでしょう。

 

ビーチに行くときは要注意です。太陽が燦々と照っている中、もし日焼け止めをうっかり塗り忘れていたとしたら、あなたの背中は数分で真っ赤っかになることでしょう。例え日焼け止めを塗っていたとしても塗りムラがあった場合、薄く塗ったところと厚く塗ったところとまだらに日焼けすることがあります。これらはブッシュウォーキングをするときや、屋外でスポーツをするときも同じことが言えるでしょう。

 

オーストラリアに於ける皮膚がん率は世界トップクラスだと言われ、その対策のために、政府はテレビ広告で日焼け対策注意を促したり、日焼け止めやサングラスを購入するとその売り上げの一部が皮膚がん撲滅基金に寄付されたりしています。親は子供に充分な日焼け対策をすることを義務付けられているので、子供達が首までカバーするような大きなつばのついた帽子をかぶっているのをよく見かけます。

 

日本はここ数年空前の美白ブーム。肌は白ければ白いほど美しく、しみやそばかすなんてひとつでも増えようものなら、すぐに高価な美白エッセンスを購入して薄くなるように祈ってみたり、エステに通ったり、レーザーで焼き取ったりすることでしょう。もともと日本は「色の白いは七難隠す」という諺があるくらい、色白であることを良しとする風習があり、近年の美容産業に於けるホワイトニングのための最新テクノロジーが、それに拍車をかけています。日本出張に出ると街行く女の子達の肌がみんな真っ白でまぶしいくらい。

 

オーストラリアでは実はその逆なんです。もともと色の白いCaucasian(白色人種)の人達は、白いと病気っぽく見られるとして、出来る限り肌を小麦色に近づけようと努力します。普段の生活には日焼け止めを使わない人がほとんどですし、しみやそばかすができてもあまり気にしません。日光浴のためにビーチに行き、トップレスになってまんべんなく焼くのがオージーガール流。こんがり焼けている方が健康的で魅力的なのです。

 

ただしその結果、もともと紫外線に弱い彼らの肌は、それによってひどいダメージを受けます。まだ20代の若い男女の背中や腕に、アジア人にはありえないほどの量のしみがびっちりとできているのをよく見かけます。まだ若いのにしわが多い人も結構いて、40代、50代になると首筋や背中の皮膚が日焼けによってしわしわになっているのも、たまたま電車の後ろの席に乗り合わせたときに気がつきます。そしてそれが最悪の場合、皮膚がんとなってしまうんですよね。

 

オーストラリア人は日焼けをしたがり、日本人女性は極端に日焼けを嫌がる傾向にあると思います。オーストラリアに来たばかりの日本人女性達はみんな普段の生活から日焼け止めを塗りたくり、帽子とサングラス、暑くても長袖、長ズボン、更には日傘までさしてしまったりして、万全なる日焼け対策を行っていますが、その姿はオーストラリア人にとってはちょっともの珍しいものに映ります。オーストラリアで日傘をさすのは、アウトバックで日が照りつける中歩くときに、日よけの代わりに雨傘をさすか、もしくは皮膚がん患者が街を歩くときにさすくらいで、普段の生活で日傘、というものは日焼けしたがりな上に面倒くさがりのオージーにはあまり趣旨が合わないようです。

 

かくいう私も、ワーホリでシドニーに来るときには日傘を持参してきましたが、結局一度も使うことのないままたんすの肥やしとなり、ついには引越しの際に捨ててしまいました。しみ、そばかすができても気にしないわけではないのですが、もともとできやすい体質なので今更一個増えたところで「オーストラリアの強い紫外線のせいで・・・」なんて悲嘆に暮れることもありませんし、オージーから見ると私のそばかすの量なんてまるでたいしたことないのがわかっているので、どうってことありません。最近は逆に日焼け肌になりたいと思うようになり、がんがん日焼けをするのは怖いので、肌に塗ると1ヶ月くらい小麦色になれるセルフタンニングキットに挑戦してみたりしています。

 

日本在住の女性達は、いかに白いことがいいことかを、毎日毎日テレビCMや電車のつり革広告、ファッション雑誌などで洗脳されているのでそのとおりに行動しているかと思いますが、「白いと病気みたい」と思われているこの国に来たときには、その考えも変わるかもしれません。

 

日本へ出張に行き、留学フェアにブースを出展したりしたときによくされる質問の中に、「オーストラリアの紫外線ってものすごく強いって聞いたんですけど、大丈夫なんですか?」というものがあります。中には「紫外線が強いからオーストラリアには留学しません」という人もいます。はい、確かに紫外線は日本に比べると強いです。けれども、ある程度の日焼け対策を心がけていればそれほど問題ではありません。現に私は皮膚がんにかかってはいませんし、紫外線のために極端に肌が老化しただとか、髪がダメージを受けたとかいうことは今のところありません。

 

このオーストラリアという国には美しいビーチと自然があって、スポーツも楽しめ、気候の良さを味わうことができます。きちんとした日焼け対策を普段から心がけていれば、日本にいるときとは違う、素晴らしい体験ができること請け合いです。せっかくオーストラリアに来たのに日焼けが怖くてアウトドア経験をしていない人、できればもう少し型からはずれて、開放的なオーストラリアを楽しんでくださいね。

 

NSW州は夏時間が終了してしまいました。まだまだ夏であってほしいと願う、今日もルンルンのMiKAでした♪

 

*この記事は2007年3月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

*2023年追記:この記事を書いたときはシドニーにいた私。その後ゴールドコーストに越してから気が付いたことは、ゴールドコーストをワーホリや留学の目的地に選ぶ日本人女性達は、紫外線を恐れていない人達が多いこと。やっぱりゴールドコーストは、ビーチとウォータースポーツのアウトドアカルチャーが一番のイメージですものね。サーフィンやビーチを楽しみたい人のパラダイスです♪

 

にほんブログ村 海外生活ブログ オーストラリア情報へ
Image by adamkontor from Pixabay

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください