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仕事とアパートと恋人探し

2023年5月5日

ニューヨークの人は、常に仕事かアパートか恋人を探している、と聞いたことがありますが、シドニーの人達にも似たようなことが言えると思います。私なんて常にその3つ全てを探している傾向にあります。

 

シドニー人にとって、永久就職なんて言葉はほぼありえないので、人々は常により良い条件の職を求めて日々の生活を送っています。今より高いお給料をもらえる仕事、今より福利厚生がしっかりしていて働きやすい環境、と欲はつきることがありません。大学を卒業し、自分のキャリアを築く第一歩、先ずはアシスタント業務から始め、経験を活かしつつ転職を繰り返し、10年、20年かけて登りつめるまで仕事を探し続けます。例えばディレクターレベルまでたどり着いたとしても、お給料の問題、他のディレクターとの権力争いなどで転職をするケースも少なくはありません。お仕事探しによく使われるのは、seek.com.auなどの求人サイト。

 

シドニーの人はアパートもよく探します。それは仕事と同様に、より良い条件、例えばもっと広いところ、もっと家賃が安いところ、もっと職場に近いところ、などを目的に探している人もいますが、私がよく耳にするのは「アパートのオーナーが海外から戻ってくるから出なくてはいけない」「オーナーの親戚がここに住むことになったから出なくてはいけない」というオーナーの都合による退去です。結婚したからもっと大きなアパートに引っ越すという理由であれば、楽しくアパート探しもできるものでしょうが、出たくないのに他人の都合で引っ越さなくてはいけないのは納得しづらいですよね。

 

地価が高騰するシドニーでは、ほぼ毎回契約更新時に家賃の値上げがありますが、それを機に引越しを考える人も多いのではないかと思います。留学生も移民も多いこの国では、色々な人が様々な理由で、常に住むところを探しているのです。

 

ところが現在のシドニー住宅事情はとても厳しいです。賃貸物件は空室が非常に少ないようで、人々は少々Desperateになっているようですね。実は私自身、2年近く住んだアパートにさよならすることになり、先日私の部屋のオープンインスペクション(決められた日時に誰もが部屋を見学できる不動産屋による企画)がありました。

私は現在1週間あたりA$255を家賃として納めているのですが、不動産屋は次の住人からは週A$270と広告を出していて、随分と値上げしたなと思っていました。それにも関わらず、何と小さな私のスタジオアパート(日本で言うワンルームマンション)に約30人の人が集まり、たくさんの人が申込み用紙を手にして帰っていきました。

その中でひとり、10分後に「申し込み用紙に記入したから」と言って戻ってきた人がいました。そしてそこにいた不動産屋のスタッフに、「週$270ではなく$320払うとオーナーに伝えて欲しい」と言って帰っていきました。現在私が週$255払っている部屋に週$320?私が目を丸くしてその会話を聞いていると、不動産屋から来たKatelynは「シドニーの賃貸状況はそれほど競争率が高いのよ」と説明してくれました。

こんなに厳しいのであれば、オーストラリアに来たばかりの海外留学生や、肉親の保証人を立てられない海外からの移民、仕事についたばかりでまだ収入が少ない新卒者なんかはますます不利になってしまいます。一体この状況はいつ改善されるものか。皆アパート探しに疲れてしまい、途中で「何でもいいから住めるところに半年住んで、その間にまた別のいいところを探そう」と妥協し、自分の理想とはかけ離れたアパートにとりあえず入居し、しばらくしたらまた別のところを探し始めるのです。アパート建築の勢いを何倍にも早めてくれない限りは、シドニーにアパート探し難民が溢れてしまいそうですね。

アパート探しはオーストラリア最大の住居探しサイト、domain.com.auで。

 

さて、恋人探し。これは仕事やアパートのように、現在とりあえずのところは持っているけれど、同時により良い条件を求めて次のも探している、というわけではあまりないですよね。パートナーがいなくても暮らしていけるし、楽しい時間を送ることもできるここシドニーでは、忙しい日々の中、更に時間を割くスペシャルな誰かを持つということに、人々は慎重にならざるをえないようです。厳選するから時間がかかる、それはつまりいつも恋人探しをしている。

若しくは、転職も恐くない、アパートもひとところにずっと住むのではなく、転々とする、恋愛に於いてもお気楽な短期間の関係を探している、という刹那主義の場合もあるかもしれませんね。どちらにしても、恋人探しはrsvp.com.auでどうぞ。

 

常に仕事かアパートか恋人を探している、というのは新しい時代の流れかもしれません。昔の日本のように、どんなに嫌な仕事でも無理に縛られるようなこともないし、それだからこそ、仕事を辞めるということが人生をかけた一大決心、というわけではなく、転職して更に上を目指すことができます。アパートを探す理由も、一昔前の日本であれば仕事のため、進学のため、結婚するため、と理由は簡潔でしたが、現在のここシドニーでは、「シェアメイトとのいざこざから一人暮らしをしたい」「オーナーが海外転勤から戻って来るから」「留学に来たから」など、その理由は複雑化しています。恋人探しも同様に、情報量が増え、人々のニーズが重なりあって込み入るほど、恋人マッチングも多様化してきます。自分にしっくりくる相手を探すのは至難の業でしょう。でも安心してください、この時代はインターネットで何でも検索できるようになっていますから。

 

シドニーの街で生きていくためには、これらに対応していかなくてはなりません。マジで競争率激しいです。今日もルンルンのMiKAでした♪

 

*この記事は2007年8月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

*2023年追記:その後もオーストラリア(特にシドニー)の地価は高騰し続け、家賃は今では、更に驚くほど高くなりました。当時住んでいた件のスタジオアパートメント、今調べてみたところ、$420/週くらいみたいです。この記事を書いた時はまだ若く、不動産を借りることばかりに焦点を当て、買うことには意識が向かなかったのですが、あの頃無理してでも買っておけば良かったなあ。

*2023年追記②:時代は移り変わり、マッチングアプリも多様化しましたね。当時はRSVPが主流だったようです。

 

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Photo by Laura Cros on Unsplash

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