最近驚くべき事実を知った私。私が過去30年の間、たまたま知らないで生きてきただけなのか、それとも日本にはこういう風習が全くなく、日本人である私は、その行為の存在にすら気づいていなかっただけなのか、とにもかくにもカルチャーショックを覚えました。
それは、下の毛を剃るという行為。
私の認識が正しければ、日本人が陰毛を剃るのは、盲腸の手術を受けるときか、少し変質的な趣味をお持ちの場合か、もしくは浮気防止のために彼に剃られる以外にはあまりないのではないかと思います。ビキニを着るためにサイドを若干剃るということは個人の好みによってありえるとは思いますが、それも少ない毛量のことで、全体を剃ってしまうということはありませんよね。
近頃Babel(https://en.wikipedia.org/wiki/Babel_(film))のDVDを見たPatrickが、Kikuchi RinkoのHairy Monsterを見て「何故日本の女の子はいつもきちんと化粧して着飾って、脇や足の毛はきれいに処理してあるのに、下の毛だけぼうぼうなんだ!?」と彼なりのカルチャーショックを私に投げかけてきました。
日本ではどのように上映されたのか知りませんが、シドニーの映画館ではKikuchi Rinkoのヘアーはモザイクなしの丸見えに放映されていました。日本人の私から見ると彼女の毛量は決して多くなく、ちっともMonsterではないのですが、字幕では「Hairy Monster」と表現されていて、私としては日本語字幕がどうだったのか、気になるところです。
私はその「Hairy Monster」という呼び名は、単に毛が生えているものだからそのように呼ばれているだけだと思っていたのですが、どうやらオージーにとっては本当にMonsterだったようで、Patrick君曰く「Extremely unattractive!(究極に魅力的でない)」とのことでした。
私は彼のその問いかけに逆に驚いて、「じゃあオージーの女の子はどんな処理してんの?」と質問すると、「人によっては全部剃る、人によっては一筋だけ残して剃る、人によっては5ミリくらいの長さに刈る。」とのお返事。
え、そうなの?
興奮気味にPatrickは話を続け、「オージーの女の子にとっては、日本人が腋毛を処理するように、下の毛も処理するのがエチケットとして当然なんだ。それがトレンディーだし、衛生的にもその方がよっぽど清潔でいい」と説明してくれました。更に、「これはオーストラリアだけじゃなくってウェスタンは皆そうだし、東南アジアの女性もそうだ」と彼の多国籍なセックスライフを同時に明らかにしてくれました。しかも「男だって下の毛を剃ったり刈ったりする。それがエチケット。」と私にとっては驚愕の発言。
思い起こせば物の本に、「陰毛は性交での摩擦から肌を守るのに役立っている」と書いてあったような気がします。Patrickにそれも言ってみたのですが、「No!今まで毛を剃った女性と何人も何回もしたけれど、全くもって問題ない!」と聞く耳を持ってくれませんでした。
言われて見れば、日本人は腋毛は剃ったり抜いたりするのが当然なのに、なぜ下の毛は処理しないのでしょう。逆に温泉に行ったりするときに、下の毛を剃ってあったりしたら恥ずかしくなってしまいますよね。脇の下は普段から人の目に触れる可能性が高いところだけれど、下は性交のときにしか見られるべきところでないから、あえて毛で隠そうとしているのでしょうか。特に女性にとって、あそこはいじってはいけない聖域のような雰囲気がありますよね。第一剃ったり刈ったりしたらちくちくして痛いだろうに。加えて男性が処理をするだなんて聞いたこともありません。
日本人にとってのムダ毛とは足や腕や脇下の毛であって、陰毛はムダのうちにはカテゴライズされていないと認識していたのですが、私は考えが古いでしょうか。皆剃ったり刈ったりしないから、それが当然のことだと思い込んで、オーストラリアに来てからも剃らない生活を続け、こちらでは温泉も銭湯もないので、他人のものに毛が生えているかどうかなど全く考えずに、在豪歴6年が経とうとしています。
ちなみに私は、日本にいるころビキニラインのレーザー永久脱毛を何回か受けたことがあり、そのときのビューティシャンに「サイドもやって」と頼んだのですが、「気をつけをして正面から見える部分しかできません。」と言われ、仕方なく正面の両サイドだけを少し処理してもらいました。もしそれがオーストラリアだったら、当然の如くかなりきわどいところまでレーザーを当てることでしょう。全ての毛をとってつるつるにしてしまうブラジリアンワックスも人気で、オージーの女性達はサロンで恥ずかし気もなく施術を受けます。
過去関係を持った非日本人の男性達は私に何もアドバイスをしてくれなかったので、今まで何も知らずにHairy Monsterでいた私。しばらくはPatrickの言ったことが信じられず、周囲の友達に聞きまくったところ、どうやらオージーの女の子はやっぱり剃ったり刈ったりしているらしく、今更ながらちょっと恥ずかしくなってきました。
これを機に私も剃ってみようかしら、と思うものの、全てつるつるにしてしまうのはさすがに気が進まないし、Patrickの言う「一筋だけ残して剃る」にしてみようと考えてみました。しかしいざ剃るとなるとハタと考えます。一筋だけというのは具体的にどういう意味なのだ?同僚のレベッカもイマリも言葉では説明してくれるものの実際には見せてくれないので、いまいちちゃんと剃れるかどうか不安です。こうなったらエロ本でも買ってオージーの女の子たちがどのように処理しているか研究してみようかしら。
まだまだ知らないことがたくさんあります。今日もルンルンのMIKAでした♪
*この記事は2007年8月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。
*2023年追記:このテーマに関して、2007年と今とでは、認識が大きく変わったようですね。その後日本でもVIO脱毛が流行りだし、今では介護脱毛なるものがあるのだとか。先日久しぶりに日本の温泉に行ったのですが、女性達の下の毛量が昔に比べて全体的に減っていたような気がします。
当時は、この記事のとおり、日本人が下の毛のトリムをするという習慣はあまり耳にしたことが無く、公開後、多くの読者の方から反響をいただきました。
Patrickにとっては手入れされていない状態は「Extremely unattractive」ということでしたが、今のパートナー(オーストラリア人)はワイルドなフルブッシュ派。蓼食う虫も好き好き、ですね。
Photo by Marvin Meyer on Unsplash