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オージーは臭い?

2023年5月9日

何年か前にシドニーで出会った韓国人の女友達が、その頃デートしていたオーストラリア人男性と別れた理由のひとつとして「オージーは臭い」と言っていたのが印象に残っています。「オージーは・・・」とひとくくりにしてしまうのは良くないかもしれませんが、確かにアジア人種に比べると、西洋人種の方が体臭は濃いのではないかと感じます。

 

大学で文化人類学を聴講していたとき、教授が、「アメリカ人や南アメリカ人などは体臭が濃く、香水の香りに自分の体臭を混ぜてそれをセックスアピールとする」と言っていたのが記憶に残っています。ちなみに体臭が濃いか薄いかを確かめるには、耳垢の種類を見てみるとわかりやすいと説明し、湿った耳垢の持ち主は体臭がきつめ、かさかさに乾いたタイプは体臭がほとんどないとのレクチャーでございました。

 

確かにオーストラリアで生活を始めてから、日本ではありえないくらい体臭のきつい人にしばしば出会います。日本で言う「わきが」なのか、汗を凝縮したような香りを放っている人はランダムにいますし、汗とは違うけれど、ただ単に体臭が濃い、という人もいます。

 

インド系オーストリラリア人の友人は、汗とは違う、何か彼女独特の匂いを持っていて、私はそれに関して一度も直接コメントしたことはないのですが、おそらくカレーをしょっちゅう食べているからこそ発せられる匂いなんだと独りよがりに決めつけています。

 

また別の友人でイギリス人女性のAliceはこれもまた何とも言えない彼女独特の体臭を持っていて、ハグをする度に「体臭濃い・・・」と私は密かに胸中でつぶやいています。

 

知り合いのポーランド人男性の体臭はかなりきつく、彼がそこにいたであろうことを残り香から察知できるほどです。運悪くエレベーターに乗り合わせたときなんかはできるだけ呼吸数を少なくするよう努力するくらいで、本人が自身の体臭をどれくらい自覚しているのか、お節介にも心配してしまいます。

 

普段は匂わないけれど、汗をかいたら臭くなる人、オーストラリア人には結構多いような気がします。全員が全員匂うわけではないのですが、情事の後ぷ~んとホームレスのおじさん臭が漂って、私ひとりが興ざめすることもありました。あるお洒落でハンサムなオージー男性とベッドインしたまでは良かったのですが、彼が帰った後、シーツが部分的に強烈な悪臭を放っていることに気がついて、すぐに一式丸洗いしたこともあり、汗さえかかなければいいのに・・・と余計なお世話ながら気の毒に感じたことを記憶しています。こんなに汗が臭い彼と結婚する人は、毎日毎日シーツを取り替えることになるのでしょうか。真夏はすごく大変なのでは・・・、なんて想像してみたりして。

 

そんな体臭のきついオーストラリア社会の中、やはり人々はなるべく汗臭くならないよう、体臭が濃くなりすぎないよう、それなりの努力をしていることは感じることができます。

 

例えばシャワーを一日2回、3回と浴びる人が少なくはありません。オーストラリアでは常に水が不足しているので、一回一回のシャワーにかける時間は短め、そしてこの国では夜よりも朝にシャワーを浴びるのが一般的なので、一日の始めにまず体を清潔にするのはエチケットのうちのひとつです。シドニーのMartin PlaceやWynyard辺りでお仕事をしている、少しハイソなビジネススーツ達の間では、ランチ休憩にエクササイズをするのは一般的であり、少しの時間にジムに行ったりジョギングに出たりします。そしてオフィスには当たり前のように汗を流すためのシャワー設備が整えられていて、そこでその日2回目のシャワーを浴びます。そして夏場は家に帰ってもう一度。こまめにシャワーを浴びることによって汗臭くなるのを防止し、クールでスタイリッシュな雰囲気を保つよう努力しているのです。もちろんコロンや制汗スプレーは忘れません。

 

ただ、全員が全員上記のような努力をしているわけではなく、人によっては汗をかこうが何をしようが全く気にしなかったり、面倒くさくて二日に一度しかシャワーを浴びなかったり、3日連続で同じシャツを着たりしている人もいるわけで、そういう類の人は最初から自分が匂うかどうかなど気にかけるわけもなく、残念なことにぷんぷんと悪臭をふりまくことになってしまのでしょう。

 

余談になりますが、体臭と言えば、日本では「加齢臭」という言葉が世に定着して久しいのではないかと思います。しかし私がこの言葉を耳にしたのは至極最近のことで、初めてそれを聞いたときは「カレー臭」だと思い込み、しかもインド系の旦那様をお持ちの方が「うちの旦那は加齢臭がして・・・」とおっしゃるので、「やっぱりインド系の方だからカレーをよく食べていて、それが体臭に影響しているんだ」と、絶対的な勘違いをしてしまったのでした。

 

あなたの好きな人が、実は臭かったらどうしますか?

 

汗のにおいも少しだけなら好きな、ルンルンのMiKAでした♪

 

*この記事は2007年9月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

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Photo by MARK ADRIANE on Unsplash

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