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私の心のモヤモヤを晴らす大きなカルチャーショック

2023年5月11日

先日、私の心のモヤモヤを晴らす大きなカルチャーショックがありました。

それはもう、人生を変える程の経験だったと言っても過言でなく、目から鱗が落ちたというか、青天の霹靂(へきれき)というか、とにかく、そんなに違うものなのか!、とただひたすら目をぱちくりするばかり。180度違う日本とオーストラリアの価値観に、しばらくは消化に時間を要したものでした。

なるべく毎週ペースで書いていたこのルンルン日記ですが、しばらく出張に出ていたためお休みをいただいておりました。4週間前にアップロードした「私の心のモヤモヤ」で、パートナーの過去を受け入れることができるかどうかを皆さんに問いかけましたが、私自身が気になっていたこともあり、日本出張に出ている間中、福岡、大阪、名古屋、東京、と行く先々で取引先や友人、知人にこのトピックを投げかけてみたところ、「過去はなるべくなら新しい相手を気遣って隠すべし」「離婚歴がある場合、新しい相手ができれば徹底的に前の結婚を匂わすようなものは始末し、必要があれば新たなスタートのために引っ越す」などの意見が圧倒的でした。

 

❝付き合い始めに気になって、彼から元カノ情報を無理やり聞き出してみたにも関わらず、1年後くらいに「元カノのXXちゃんはFカップだったんだって!?どうせ私はAカップよ!きー!!」と嫉妬して喧嘩になる。❞(会社員・32歳・女性)

 

❝離婚後、彼女ができたときは家の大掃除をして前の結婚の痕跡を消した。結婚式のときの写真も処分した。もし次に結婚して子供ができたときに、その子供には前妻との結婚式の写真を見せられないから。❞(会社員・35歳・男性)

 

❝略奪愛した旦那が、過去前妻とともに建てた家に住んでいる。ベッドは買い換えた。前妻との結婚式の写真を「捨てて」と旦那に頼んだが、首を縦に振ってもらえなかったので義母に頼んだところ、「もうしばらく取っておきなさい」と言われた。❞(主婦・30歳・女性)

 

といった感じで様々な意見が返ってきたのですが、皆さん、なるべくなら過去を音沙汰ないように、隠蔽させておきたいと望んでいるようです。そしてそれが何かのきっかけで明るみに出てしまったときに、そこに愛があるのであれば、嫉妬の炎がメラメラと上がってしまうようです。中には全く気にしない人もいるようですが、大多数はやはり「知らない方がいい」と思っているようですね。

 

ところがです。

 

出張から戻り、同じ問いを我が友人レベッカとイマリに投げかけてみたところ、私が体をのけぞらすような返答が・・・。

 

オーストラリアでは、前のパートナーがどういう人だったのか、どんな仕事をしていたのか、何故別れたのか、そういう話を現在のパートナーに話すことは全くもって普通なことであり、それを相手の方も知りたいと思っているようです。

その人が辿ってきた過去はその人の一部であり、その歴史があって今のその人があるわけだから、それを消し去ろうとする行為はオーストラリアではありえない、だからパートナーの日常会話に「昔よく元彼とサーフィンに行って・・・」だとか「この絵は俺達(自分と前妻)が買ったんだ」だとか「元カノはプロの歌手でとてもきれいな声の持ち主だったんだ」とかいう会話が出てきても自然であり、いちいちそれに嫉妬するものではないというのです。

前妻と住んでいたアパートに今カノと住み始めたって、それは極当たり前のことだし、ウェディングの写真を捨てるだなんてとんでもない、と。レベッカなんて逆に彼がどんな人とつきあってきたか知りたいから、彼に頼んで前の彼女の写真を見せてもらうと言っていました。

別れた前妻を次の結婚式に呼ぶことができるオーストラリア人、オーストラリアで国際恋愛をするのであれば、と、ある程度覚悟はしていたつもりだったのですが、ここまで違うとは修行が足りませんでした。

 

【別れた人の写真】

日本→ 破る・捨てる・燃やす・隠す

オーストラリア→ アルバムにとっておく・次のパートナーに見せる・次のパートナーが見たがる

 

【別れた人の話】

日本→ 話さない・大まかであたりさわりのない話だけをする・悪いことしか言わない・必要があれば嘘をついて別れた人との共同作業経験を隠す

オーストラリア→ 話す・良いことを話す・褒める・その人の歴史に刻まれているので過去の話にときどき(しょっちゅう)出てくる

 

【一緒に住んでいた家】

日本→ 前のパートナーの面影は跡形もなく消す・引っ越す・思い出の品は処分する・せめてベッドだけは買い換える

オーストラリア→ 写真がまだ飾ってあったりする・ところどころから元パートナーの残した持ち物が出てくる・そこに新しいパートナーが住み始めても当たり前、ベッドなぞ買い換える必要なし

 

いくら何年もオーストラリアに住んでいるといっても、私は所詮日本人です。例えば私が日本人同士で恋愛をしていて、彼の家から元カノの持ち物がたくさん出てきたり、私を目の前にして元カノとの甘い思い出話をされたり、前妻と散々Hしたベッドで私もHするのは嫌だと思います。自分という現在の存在をリスペクトしていない、とさっさと別れてしまうことでしょう。

しかしそこは郷に入っては郷に従え、日本的考えをここで押し通そうとしたら、こちらの方がわがままで自分勝手なヤキモチやきだと思われ、あきられてしまいます。日本とオーストラリアであまりにも扱いの違うパートナーの過去、日本人にとっては乗り越えにくいものですが、あとはあなたのパートナーがそれをどれくらい理解してくれるかに懸かってきますよね、そしてあなたからの歩みよりももちろん重要です。

 

国際恋愛は、ときには自国の文化とかけ離れていることを受け入れなくてはいけないことがあります。文化の違いに悩んでいる国際恋愛中のあなたへ、心よりエールを送ります。

 

今日もルンルンのMiKAでした♪

 

*この記事は2007年11月に某オーストラリア日本人コミュニティサイトに掲載されたものです。

*2023年追記①:「4週間前にアップロードした『私の心のモヤモヤ』」と記事冒頭にありますが、なぜかそれが私のアーカイブに保存されておらず、当サイトには投稿できておりません。書いた記憶は確かにありまして、「全然ルンルンのMiKAじゃないじゃん!ww」と読者の方からコメントを頂いたのも覚えています。内容としましては、今回の記事から想像できるとおり、彼氏彼女パートナーの過去を嫉妬せずに気持ちよく受け入れることができるか、それだけではなく、彼氏彼女パートナーが過去の恋愛を日常的に語ったり、元カノや元カレが友人として残っている状態を受け入れることができるか、等の問いかけだったと思います。

*2023年追記②:レベッカとイマリに意見を聞いた時、その場には韓国人女性ともう一人日本人女性がいました。この時オーストラリアと東アジアで意見は真っ二つに分かれ、もう一人の日本人女性だけでなく、韓国人女性もその文化相違に驚いていました。

*2023年追記③:その後の長い海外生活で、おかげ様でこのトピックに関しても、私はずいぶんと慣れることができたと思います。要するに相手が過去を乗り越えているかいないか、によりますよね。すっかり気持ちは消えていて、そこに何も心配がない様子であれば、思い出話に元カレや元カノが出てきても問題ないし、家の中から置き忘れたものが出てきたとしても、気にすることはない。前のパートナーと一緒に購入した家に出入りしようが、彼らが使っていたベッドで寝ようが、今そこにいるのはあなたであって、元のパートナーではないのだもの、逆に喜んだっていいです。

この記事を書いた当時、なぜ私がそこまでモヤモヤしていたのかというと、その頃付き合っていた彼が、どうも元奥さんのことを忘れ切れていなかったようで、毎回の会話に必ず彼女との思い出話が混じり、彼のアパートも、彼女の面影が至るところに散りばめられていたままだったからです。今思えば彼なりに私のことをちゃんと好きではいてくれたと思うのですが、まだ離婚プロセス中だった彼の心中は様々なことが落ち着いておらず、元奥さんとの気持ちの整理も完璧にできていなかったのだと思います。今だったら理解できないこともないですが、あの頃の私はまだ経験不足で未熟でした。

 

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Image by Tumisu from Pixabay

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